先日、尾木ママこと、尾木直樹先生の講演を拝聴して参りました。
今年から授業を持たせて頂いている学校のある苫小牧市での講演でした。
東京にいた頃も、色々な教育の専門家の先生方のセミナーや講演に足を運びましたが、尾木先生の講演は初めてだったので、とても楽しみにしていました。
70分の講演でしたが、3分くらいに感じました!(笑)
とても柔らかい雰囲気で、ぐさっ!と核心をつかれる、面白い講演でした。
たくさんのパワーを頂いて帰って参りました。
教育を志してきた人間から見ると、先生の登場シーンは神々しかった(笑)
1語1語が、私にとってはすべてが聞き逃せない内容でしたが、
その中でもここに1番書き留めておきたいことを書きますね。
それは今の世界の教育目標、「Education2030」についてです。
来年2020年は、ついに日本の教育改革の年、小学校の英語の正式教科化&プログラミングの授業、そして大学入試が大きく変わります。
私達世代はおもいっきりそうですが、今までの教育は、大量に知識を暗記し、それをペーパーテストではかり、1点2点の差を競争し合うようなものでした。
暗記力・情報処理能力で優れている人は「勝ち」。
しかし、その競争の末に身につくような能力では、これからの時代には対応できない。
そういう考えのもとで教育を変えることになったのです。
なぜ、これからの時代には対応できないのか?
それは「AIとの共存社会の到来」と「環境問題の解決」。この両者についてのアイデアを国民一人一人が出していけるような状態にしなければならないからです。
2030年には今の職業の50%をAIがやるようになり、2047~2051年には100%になるそうです。現時点でも、東大の国語の問題以外の有名大学の問題はAIは全教科で満点を取ることが出来、腹腔鏡手術もAIができでしまう。。情報処理能力(コミュニケーションは含みません)では人間はAIにはかなわないのです。
環境問題については、2050年がタイムリミット。
話題のグレタさんも、ノーベル平和賞に史上最年少で候補者になっています。
と、いうことで、この教育改革は日本だけのものではなく、世界全体で行われているもので、その指標となる年が2030年です。
お子さまはおいくつでしょうか?
2030年には、「AIをどのような分野で、どのように使用していけば世の中が幸福になるか」、そして「環境を守っていくためにどうすればよいか」を考えられる人材が育っていることが目標となっているのです。
そこで提言されている力は「生き延びる力」。
「生きる力」ではありません。
環境をどうにか守り、生き延びていかなければならないところまで来ているのです。
ここからは、私の感じていることになりますが、
上記のような、「新しい価値を生み出す力」を育むのに絶対に必要なものがあると感じています。
それは「余白」です。
「知識の暗記」や「競争」、「忙しさ」ではありません。
「余白」とは、「ゆっくりとものを考える時間」「エネルギー」です。
「無駄」とも言えるでしょうか?
一見無駄に見えるような時間や行動こそが大切だと思います。
今の日本はそれとほど遠い状態にあるような気がしてなりません。(北海道はゆっくりしていますが)。今までの教育で「効率」と「生産性」を叫んできた成果でしょう。
こどもたちの、「余白」「無駄」の時間を少しでも確保できるようにすることが大切だと感じています。
北朝鮮の国策では、こどもたちに放課後ボランティアを義務付け、なるべく多忙にさせ、ものごとを考える時間を奪うことで、管理しているそうですが、その話を聞いたとき、今の日本も同じだと感じてしまいました。
そして、「世の中の幸福について考えられる人材」。これはどうでしょうか?
自分のことだけで精いっぱいになっている状態では、周囲のコミュニティについて思いを馳せること等不可能ですよね。
今までの教育では、「頑張れ!努力すれば叶う!」と言われてきたような気がしますが、何が叶うのでしょうか?笑。
そこには、「自己実現」しか含まれていないですよね。。。
でも、こうやって考えていくと、
こうすれば、こういう力が身につくのではないか、という考えが浮かんできます。
国や政治家・学校に文句を言うのは簡単です。
SNSを見ても、そんな文句ばかり目にしますが、
そうではなくて、必要な力、今までの反省、どうすればそのような力が身に着くかを、
今の親世代の私達一人一人が考え、少しでも行動に移していくこと、
変化をしていくことが大切だと感じます。
大学卒業後のQOL(Quality of Life)、幸福感、世の中への関心に結びつかない学び(今までは「偏差値の競争」「歪んだ学歴主義」)とは一体何なのでしょうか??笑。
変えられるものは変える
行動に移す
少しずつでも頑張っていきたいと思います。
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